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平成30年度組織改編 環境情報学府博士課程後期 概要

1.博士課程設置趣旨

21世紀において、世界全体が直面しており、その対応が求められている課題は、持続的に発展する安全で快適な社会の実現、すなわち「安心・安全な持続可能社会の創生」であるとされています。環境に対する捉え方においては、数多くの分野の関わりが重要であり、分野の枠組みを越えた俯瞰的な知識の重要性が増しています。

上記に関わる社会的課題を解決するために、環境情報学府では「環境」と「情報」を基軸に、安心・安全な持続可能社会の創生を目指して、学際的な文理融合・異分野融合の教育研究を行います。その基軸の1つである「環境」を次の3つの側面が不可分に重なりあったものと捉え、それぞれに対応する専攻を置いています。

  • 人工環境 ヒトとモノが作る環境
  • 自然環境 自然が提供する環境
  • 情報環境 情報が作り上げる環境

もう1つの基軸である「情報」については、狭義の情報科学や情報工学分野にとどまらず、広く情報学の立場から本学府の全分野を貫くものと考えます。

環境情報学府では、前述の3つの環境の相互作用が生み出す情報に基づき,理系・文系の枠を越えて、新たな社会的価値を創生し、様々な分野で、安心・安全な持続可能社会の構築に貢献できる人材を養成します。さらに、個々の専門分野に特化した知識や技能を備えつつも、分野を越えたコミュニケーションの行える力量をもった人材の育成を実現します。

博士課程後期においては、持続可能な社会および自然環境、先端的な情報学に関する文理融合教育を実践し、リスク共生学の研究成果に基づいた知識や技術をイノベーションにつなげて社会で活躍できる高度専門職業人を育成します。博士課程後期においては、更に高度な専門教育および分野横断的かつ文理融合教育と、自らの研究活動を通して、環境系・情報系・人文社会系に広く関わる課題を発見および解決し、理系・文系の枠を越えた新たな社会的価値を創生することで、安心・安全な持続可能社会の構築に貢献するとともに、その分野を牽引できるリーダー的な人材を育成します。

2.専攻と教育プログラム

本学府には、人工環境専攻、自然環境専攻、情報環境専攻の3つの専攻があり、各専攻には、それぞれ3つの教育プログラムがあります。教育プログラムは、各専攻において取得する学位の種類に応じて設定された科目履修の仕方であり、履修可能な授業科目群と修了に必要な単位が定められています。各学生は、入学時に、履修する教育プログラム(ならびに、取得する学位)を定めます。教育プログラムは、それぞれの学位を取得した人材がどのような専門性を持ち、どのような知識と技能を修得しているのかを明確に示すために設定されています。

専攻名 教育プログラム(取得できる学位) 指導教員

人工環境専攻


産業プラント、インフラ、地域社会など、持続可能社会における安心・安全を確保するための工学的技術やそれを社会実装するための方法に関する先端的な知識と技能を備えた上で、様々な専門分野の知見やステークホルダーにも配慮して、社会における安心・安全を確保する新しいシステムやサービスを生み出し、自らの専門分野を牽引していける人材を育成する。

安全環境工学プログラム(博士(工学))
都市や産業プラント、インフラ,エネルギーステーションなどの設計や災害時の対策や避難経路の確保や速やかな復旧、さらには新技術の推進など、人工環境における安全を確保するための工学的な高度専門的知識を有し、先端的な研究を行える人材を育成する。
雨宮隆、荒牧賢治、伊里友一朗、伊藤暁彦、大谷裕之、大矢勝、岡泰資、笠井尚哉、亀屋隆志、熊崎美枝子、倉持秀敏、小林剛、澁谷忠弘、白石俊彦、鈴木淳史、田中良巳、中井里史、中野健、畑山健、藤井麻樹子、星野雄二郎、本藤祐樹、松宮正彦、松本真哉、三宅淳巳、安本雅典
環境学プログラム(博士(環境学))
人工環境と社会環境に配慮した科学技術の社会実装や法制化に関する高度専門知識を有し、人がつくり出す環境による汚染や課題等の実態やその影響などに関する先端的な研究を行える人材を育成する。
雨宮隆、荒牧賢治、伊藤暁彦、遠藤聡、大矢勝、亀屋隆志、小林剛、中井里史、鳴海大典、藤井麻樹子、星野雄二郎、本藤祐樹、松宮正彦、松本真哉、安本雅典
社会環境プログラム(博士(学術))
社会環境に関する高度専門知識を有し,人工環境の中で暮らす人々の営みに注目するとともに福祉や健康にも配慮した企業経営や自治体の在り方などについて,先端的な研究を行える人材を育成する。
安藤孝敏、遠藤聡、亀屋隆志、小林剛、周佐喜和、中井里史、鳴海大典、長谷部英一、本藤祐樹、宮崎隆、安本雅典

自然環境専攻


人間社会を持続可能なものにするためには、その基盤となる自然環境の持続可能性や安全確保に関する高度で専門的な知見が必要である。生命環境や生命現象の探求・利用、生態系の中長期的な持続可能性の探求とその展望、地球史的な環境変化や地球深部までも含めた地球の高度な理解、さらに自然環境と地域住民との社会的関わりの探求などを基礎とし、人と自然の関係における問題点を高度な専門性に立って考察し、その解決策を提示できる専門知識と専門技能を修得した人材を育成する。
生態学プログラム(博士(環境学))
私たちを取り巻く自然環境の保全、維持、回復を考えるためには、もとより生態学や生命科学の高度な専門知識が必要である。この教育プログラムでは、自然との共存を図りながら、地域社会や世界の持続可能性を確保するために必要な生態学を中心とし生命科学や地球科学の専門性をも取り込んだ高度な知識と技能を修得した人材を育成する。

石川正弘、及川敬貴、尾形信一、鏡味麻衣子、菊池知彦、小池文人、小平秀一、酒井暁子、佐々木雄大、下出信次、中村達夫、中森泰三、塗谷睦生、平塚和之、松田裕之、森 章、山本伸次、和仁良二
地球科学プログラム(博士(理学))
近年の激化する気候変動や多発する大地震に伴う大災害など、私たちの環境の安心・安全を根本から覆すような出来事が多発し、これらの激変する自然環境に対して地球科学や生命科学の高度な理解と生態学をも取り入れた、多様な専門知識に基づいた自然現象の探求を行う必要がある。この教育プログラムでは、その探求に寄与できる高度な科学的知見に精通した人材を育成する。

石川正弘、尾形信一、鏡味麻衣子、菊池知彦、小池文人、小平秀一、酒井暁子、佐々木雄大、下出信次、中村達夫、中森泰三、塗谷睦生、平塚和之、松田裕之、森 章山本伸次、和仁良二
環境学術プログラム(博士(学術))
Future Earth構想の中で主張されているように、地球規模の環境問題は生態学、生命科学、地球科学の研究者だけで解決できることではなく、様々なステークホルダーも取り込んだ超学際的な高度な研究が必要である。この教育プログラムでは、生態系を守るための法制度や地域住民との関わりなどにも配慮した自然環境管理のあり方を、高度な専門的知見に基づいて探求・構想・提案できる人材を育成する。

及川敬貴、鏡味麻衣子、小池文人、酒井暁子、佐々木雄大、中森泰三、松田裕之、森 章

情報環境専攻


持続可能社会における安心・安全を確保するためには、私たちを取り巻く情報の在り方、つまり「情報環境」に目を向ける必要がある。情報セキュリティ、IoT、AI、ビッグデータ解析など、情報技術と数理科学に関する先端的な知識と技能を備えた上で、「情報」が生み出す新しい社会的な価値と意味を理解し、それを現実社会におけるシステムやサービスの創出につなげ、さらに新しい情報技術や数理科学的解析手法を開発し、自らの専門分野を牽引していける人材を育成する。
情報学プログラム(博士(情報学))
IoTやAIなど、情報環境を作り上げる先進的な技術や、情報セキュリティ、情報システムを活用するツールなどの開発に関する高度専門知識を修得し、先端的な研究により自らの専門分野を牽引していける人材を育成する。

岡嶋克典、四方順司、白川真一、白崎実、田村直良、富井尚志、長尾智晴、松井和己、松本勉、森辰則、吉岡克成、山田貴博
数理科学プログラム(博士(理学))
情報環境の中で日々蓄積されていくビッグデータの解析を行うためには,従来の統計学に加え、現代数学の手法にも精通した人材が重要であると言われている。この教育プログラムでは、そのような現代数学に精通し,数理的なデータ解析に関する高度専門知識を修得し、先端的な研究により自らの専門分野を牽引していける人材を育成する。

牛越惠理佳、小関健太、四方順司、白崎実、中本敦浩、西村尚史、根上生也、野間淳、原下秀士
情報学術プログラム(博士(学術))
情報技術において不可欠な言語処理の原理を提供する理論言語学や、人工環境・自然環境における各種の現象を明らかにする数理シミュレーションなど、多分野との関連を見据えた情報学・数理科学の活用に関する高度専門知識を修得し、先端的な研究により自らの専門分野を牽引していける人材を育成する。

白崎実、藤井友比呂、松井和己、山田貴博

3.環境情報学府・専攻のアドミッション・ポリシー[入学者受入方針]

各専攻名をクリックすると、プログラム毎のアドミッションポリシー(学力検査の実施方針)へ移動します

学府・専攻 アドミッション・ポリシー

環境情報学府

(博士課程後期)

自然環境と調和した持続的循環型社会の実現,急速に進展する情報技術を活用した新たなシステムの構築,安全で快適な社会の構築のためのイノベーションなどの21世紀の広範な課題に対応するための専門的知識と課題解決能力を身につけようとする人,物質・材料,地球環境,情報科学,数理科学,システム工学,安全工学,人文社会科学などの領域で高度な専門知識を有するとともに,企業や官公庁,NPOなどのさまざまな場面で開発プロジェクトの一端を担える実践力を身につけようとする人,異なる専門分野の人々から構成されるプロジェクトの中で,全体目標の中での自己や他者の担う役割を理解し,貢献できる,俯瞰的視野を身につけようとする人を,文系・理系を問わず広く求めます。
人工環境専攻 本専攻では、人工物で構成された物理的な環境とそこに生活する人々の存在を一体として捉えて問題解決できる人材育成を目指しています。このためには、単に技術的側面や経営的側面といった一面からだけでは無く、分野横断的また俯瞰的に問題を把握したうえで、適切な解決策を導き出すことが必要となります。幅広い視野を持って下記のような研究や課題に取り組み、先端的な研究を通して社会に貢献することを志す人を広く求めます。
  • 人がつくり出す環境やシステムにおける安全を確保し、新技術を推進するための様々な工学的な知識と技能をマネジメント方法などとともに有し、社会に貢献することを志す人
  • 人がつくり出す環境による汚染や課題等の実態やその影響を把握し、ひいては対策・政策の社会実装などに関する知識をマネジメント方法をなどとともに有し、社会に貢献することを志す人
  • 人が生活する社会の持続可能性に関わる課題の発見・解決ならびにこれらに資する技術の社会実装について、多様な組織的活動や企業経営における政策・戦略やマネジメントの知識と技能を有し、社会に貢献することを志す人
自然環境専攻 持続可能社会は、自然環境の実態やそのリスクを正しく理解し、それらに対する方策や対処を実践することで成立が可能となります。そうしたニーズに応えるために、本専攻では、中長期的な生態系の持続可能性の問題や対処法の視点、生命科学や生物科学から見た地球環境問題の視点、地球史的な長期的環境変化の視点、自然環境問題と地域住民との関わりとの視点などに立脚して,これらの問題を探求し,社会に貢献することを志す人を広く求めます。以下に具体的人材像をあげます。
  • 生態学に関する専門知識を持ち,生態系におけるリスク評価,生態系の維持・管理に関する研究職や職業に関心のある人
  • 生命科学や生物科学に関する専門知識を持ち,生命科学や生物科学と環境問題をつなぐ諸課題の解決に関する研究職や職業に関心のある人
  • 地球の構造や地球史的な環境変化などの地球科学に関する専門知識を持ち,その成果を持続可能社会に生かすことができる研究職や職業に関心のある人
  • 自然環境と人間社会の狭間で起こる諸課題の社会科学的観点からの解決に係る研究職や職業に関心のある人
情報環境専攻 持続可能社会における安心・安全を確保するためには、情報が作り上げる環境の在り方に目を向ける必要があります。本専攻では、そのニーズに応えるために、「情報」が生み出す新しい社会的な価値と意味を理解し、それを現実社会におけるシステムやサービスの創出につなげ、さらに新しい情報技術や数理科学的解析手法を開発し、自らの専門分野を牽引していける人材を育成することを目指しています。そのため、下記のように、高度の目標設定・達成能力を備えた自立的な人材として、幅広い視野を持って課題に取り組み、社会に貢献することを志す人を広く求めます。
  • 情報システムの安全性と情報分析・モデル化に関する先端的な情報技術に関する知識を持ち、その発展に貢献したい人
  • 新しい情報システムや情報技術を創造する研究に貢献したい人
  • 高度応用システムの研究開発者として社会に貢献したい人
  • 現代数学に精通し、数理的なデータ解析に関する高度専門知識を修得し、社会に貢献したい人
  • 理論言語学や数理シミュレーションなど、多分野との関連を見据えた情報学・数理科学の活用に関する高度専門知識を修得し、社会に貢献したい人

4.学位

教育プログラム毎に定められた修了に必要な科目を履修し、研究論文を作成し審査に合格した者には、教育プログラムに応じた学位が与えられます。

専攻名 教育プログラム 取得できる学位
人工環境専攻 安全環境工学 博士(工学)
環境学 博士(環境学)
社会環境 博士(学術)
自然環境専攻 生態学 博士(環境学)
地球科学 博士(理学)
環境学術 博士(学術)
情報環境専攻 情報学 博士(情報学)
数理科学 博士(理学)
情報学術 博士(学術)

5.短縮修了

博士課程の在学期間は標準5年(修士課程に2年以上在学し、当該課程を修了した者にあっては、当該課程における2年の在学期間を含む)ですが、本学府では、特に研究業績が優れた者に対して短縮修了を認めています。この場合の在学期間に関しては、3年(修士課程に2年以上在学し、当該課程を修了した者にあっては、当該課程における2年の在学期間を含む)以上在学すれば足りるものとします。 短縮修了を希望する者は、指導委員会のもとで履修条件を満たす単位修得が可能になるように履修計画を立てることになっております。


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